数か月前にお客様に叱られました。でもそのおかげでとても大切なことに気づきました。
弊社のお客様で、もう4年ぐらいお付き合いのある会社さまがあります。
以前WEBサイトをリニューアルさせていただき、保守サポートしてきておりました。
半年ほど前、その会社の社長さまから電話がありました。
「最近はどう?頑張ってる?」
「はい、頑張ってます!」
「う~ん…そう?頑張っているの? あんまりそんな風に見えないのだけど」
「そんなことないです!頑張ってます」
「そうかな。前はもっと一生懸命取り組んでくれてたと思うのだけど、最近あまりそういう感じがしない。
社長は頑張っているかもしれないけど、自分と同じマインドで社員を動かせているのか?」
私ははっとしました。
そう、以前初めてお仕事いただいた時、かなり無理なこともたくさんありましたが、一生懸命喜んでもらえるようにみんなで取り組みました。
結果お客様はとても喜んでくれました。
初回の仕事としては利益は出せてなかったかもしれないけど、その後しばらくしてからサポート契約の金額を2倍にしてくれました。
その後、私たちも以前より忙しくなり、お客様からの対応が以前と比べてよいとは言えないことに気づきました。
何か要望をいただいても、みんなの作業が混雑している時に割り込ませて作業させることを私は躊躇していました。
そんな気を遣うことをしていた自分が同じマインドで社員を動かすことなどできるはずがない。
いつしか作業に優先順位がつき(もちろんいつでも優先順位は必要なのだけど、主観的な順位がつくときもあったと思う)、後回しになってしまったこともありました。
次の日、お客様のところに、頑張ってるなんて言ったけど、全然できていないことをすぐに謝りに行きました。
すると
「幸いにも、お客様はみんな、ライジングサンの社長のことが好きだ。
僕も好きだ。好きだからこうして叱る。
数ある会社の中から(例えばWEBサイト作る会社はいっぱいある)、君の会社を選んでいるのは、もっと成長してほしいし成長できると思うからなんだ。
利益の考え方をみんなに伝えるんだ。最初から取れると思うな。もちろん最初から取れることもあるし取ろうと思う気持ちは大事だ。
けど、多くはそんなことばかりじゃない。
初めて君の会社に注文した時、私たちを喜ばせよう、びっくりさせようと頑張った結果、今利益がついてきているんだよ。よくわかるだろう?
そして言われなくてももっと自分から提案しなくちゃだめだ。
もし高いお金で見積もりを出したかったら、明確にどんなことができるのか、品質がどんなによいのか説明できなければならない。
品質をよくするためにはどうしたらいいと思う?
一歩の数を多くすることだ。
ためらわず数をこなさないと品質は絶対によくならない。
もしも安かったとしても大事な一歩をたくさん重ねていくうちに、ある時その量が質に変わっていくものだ。
最初からいい値で仕事が取れたら誰だって苦労はしないよ。
君は誰よりもよくわかってる。
今までもずっとそう考えて仕事をしてきたはずだよ。
私に言われなくてもよくわかっているはずだ。
そんな君だからみんな君のことが好きだし、こうして言いたくないことを言うんだ。
その気持ちや考えを、会社全体で共有しないとダメだろ!」
と言われ涙が出ました。
本当は折衝や仕事の時に泣いたらいけないのに、涙が止まりませんでした。
この後、ずいぶん考えて、前から気になっていたサイトリニューアルの提案を思い切ってさせていただきました。
初めてリニューアルしてから数年が経ち、私たちの技術もあがったしWEBで表現できることの幅が広がった。
だから、もう1度リニューアルさせてほしい、と。
すると「待ってたよ」と即決でOKくださいました。
毎月行っている経営会議。前回は利益の考え方を少し話したのですが、このことを思い出しました。
こういう気持ちを忘れてはいけない、と心から思いました。
写真は今週のお花です。