会社について考えました…

毎月全員で経営会議をしてる。
それは少しでも会社のことを見える化したいから。そして、将来こんな風になりたいと、計画したり改善したり、会社について考える時間を全員で共有したいから。
会議といっても共有するための報告がメインになることも多いが、それでもしないより意味があると考えて行なっている。

会社はみんなで創るものなので、みんなの意見や考えを取り入れたいと思う。
なかなかうまくいかない…
この週末も悶々と考えていた。

できたら責め合う論調はやめたいし、
過去のダメなことを反省することはよいと思うが、どんな言葉をもってこの反省という議論を終えることができるのだろうかと思う。

現在は過去よりよくなっている。
ダメだった過去は客観視しながら、今これからどうしたらいいのか、みんなで考えて改善していきたいと考えているし、議論なので敵対しないで進めていきたい。
うまくファシリテートできてないと感じている。

自分でも今までのことを整理してみたいと思い、この週末ずっと会社について考えていた。
私なりの考えを書くことにする。

私は15年ほど前に会社を突然継ぐことになった。
当時弊社はある企業のある部門の仕事しかしていなかった。ある意味その会社のその業務にのみ特化してた。
そして会社はありませんでした。
全員、お客様先に仕事に出てました。

父からソフトウェアの開発会社なんだぞ!って聞いてたけど、私は派遣会社だと思った。
色んな話を聞いたりするうちに、同じような会社がたくさんあるのに社員はなぜ、うちで働いてるのだろうと思うようになった。

不思議に思いみんなにも聞いた。
なぜうちの会社で働いてるのですか?
楽しいですか?

私はエンジニアでもないし社長経験者でもなんでもない、ただの主婦なりに考えた。

多分みんなは、転職したいかもしれない。
だけど、うちの会社になにかしらの希望を持ってるのかもしれない、だから働いてくれているのかもしれないと思った。

希望を常に持ち続ける会社になりたいと、当時漠然と思った。

先ず3年後には事務所をつくるから一緒に頑張りたいとみんなに話した。
そしてちょうど3年後に初めて事務所を構えた。

事務所ができたことをきっかけに、私はお客様と直接繋がる仕事をしようと思った。
見えないお客様ではなく、目の前のお客様にありがとうと言ってもらえる仕事をしたいと思った。

そして、なによりもう1つ。
純粋に、ひとりでも多くの社員と同じ場所で仕事がしたいと心から強く思った。
そのために派遣ではない新しい受託という事業をカタチにしたいと、ひたすらに実行してきた。

なんの実績もない私たちは、得意なこともないので、たまたまいただけた仕事をやってきた。
仕事を取ることが、どんなに大変なのかも思い知った。

幸いにも、私に依頼してくれるお客様や行政が新しいお客様を呼んでくれて、もうダメかと思う時にも仕事をいただけたりして実績を作ってきた。

しかしリーマンショックがあり、大変な時が2年ほど続いた。

その後、少しでも差別化を図ることができないのかと考えて、ハードによるソフト開発の仕事をしたいと思うようになって営業してきた。その頃からIoTに関わりたいと思っていた。

ちょうど4年くらい前から新しい分野の仕事ができるようになってきた。

昨年、ご縁をいただき、念願の事務所移転を果たし、派遣のみんなにもいつでも来てもらえる広いオフィスを、やっとやっと構えることができた。
このことは私にとって本当に嬉しい出来事だった。
今までの事務所は小さく狭くて、社員みんなが集まれる場所ではなかった。

ここまで、会社のない私たちが会社をもってからちょうど10年だった。

10年の中で、やったこともない受託という、お客様から直接請け負う新しい事業をカタチにすることをやってきた。
その間、なにより、既存の派遣事業を継続してくれているみんなにとても感謝している。

受託事業の中で10年を通じてやってきたホームページ制作は、ある程度自社としての型を作ることができた。
システム開発においても、毎回違うものを作るかもしれないけれど、同じように型を作りたいと思うようになってきた。
言語やインフラは変わっても、思想や進め方やプロセスを型にすることはできるのではないだろうか。

そう考えるようになったのは、自分たちの効率を上げることはもちろんなんだけど、それよりもどちらかと言うと、よりよい品質のものを、適切な納期とコストでお客様に納めて喜んでいただきたいと考えているからだ。

納めた後も、バクだなんだと折角ご依頼いただいたお客様に迷惑をかけたくないという気持ちからだ。

そのために、新しいオフィスになったタイミングで、みんなの経験を少しでも出しあって、いい型を作りたいと考えてプロジェクトを立ち上げたのが今である。

派遣ではない受託という新しい事業を始めて10年。
その歳月は、あっという間だった。

初めてやることに対し、私は生産性を社員のみんなに求めたことは一度もないし、失敗しても咎めることもしていないし、そこに利益の追求をしたこともない。
新しい事業で利益など出せることはないと思っていたし投資だと考えていた。

そしてみんな、勘違いしないでほしい。
利益とはお客様が喜んでくれて初めて生まれるものである。

ここからは私という人間としてのポリシーだが、
私はどんなことがあっても社員であるみんなをエンジニアとしてリスペクトする気持ちを忘れずに経営してきた。
今もその気持ちに変わりはない。
これは私を見ればわかると思う。

みんなは私を含めたお互いを尊敬し、リスペクトしてるのだろうか。
親しき中の礼儀を心得ているだろうか。
ありがとうを言えているだろうか。

リスペクトのないチームがいい仕事なんてできるはずがないと考えてるし、会社というチームの中でリスペクトがない人たちがお客様思いになれるはずもないからだ。

企業が何かに特化するにはそれなりの時間が必要なのではないだろうか。
10年では難しいというのが私の結論だ。

しかし今という今日は、過去の積み重ねでしかなく、10年やってきたからこその今であり、その今は少しずつ特化できてることもあると思う。
今は何より20代〜30代がスキルを培うには、新しいチャレンジが必要だし、そこに投資することが私の経営者としての仕事だと考えているし、みんなの経験や意見を出し合い、お互いの技術を還元し合いたいだけだ。

もしも仮に、何かに特化した仕事ばかりをしたいなら、うちで働かない方がいいのかもしれない。

なぜなら、ご存知のとおり、うちは発展途上だからだ。
受託という事業において若干10年が経っただけで、今すぐ何かにのみ特化できないし、多くの中小企業は多能工であることを理解してほしい。

しかし、発展途上にあるということは完成されていないということで、完成されていないということは可能性を模索できる証でもあり、そこに働く楽しさや喜びがあるのではないだろうか。
私はそう考えるし、そう考える人と仕事がしたい。

隣の芝は、いつでもどんな時でも青々とみずみずしく見えるものだ。
私も若い時はそうだったし、恩を忘れ隣の芝に行ったこともあるからこそよくわかる。

不安なんてどんな会社に属していてもあるだろう。
そもそも人間なんて、満たされた環境を与えられたとしても、それでも悩んだり不安を感じる生き物だ。

私の理念は変わらない。
お客様にとってもいい会社であり、働くみんなにとってもいい会社。
利他の気持ちを持ち、お客様に満足していただけるよりよいサービスを提供していく。

なにより、私は人として純粋に、リスペクトや感謝の気持ちを持ち続ける社員のみんなと、ひとりでも多くのそういう気持ちの社員と、同じ場所で一緒に働きたい。

私が何も知らずに社長に突然なった私の原点の時からこの気持ちは変わらず、その気持ちにブレずに経営してきたし、これからも経営していく。

みんなで働いてよかったと思えるためには、なによりお客様に喜んでもらう仕事をするしかない。
喜んでもらって利益を出し、みんなで還元する。
お客さまと仕事をとにかく増やしていく。
それ以外にない。
どんな仕事でも、今私たちに依頼してくださるその1つ1つの仕事に感謝し、評価いただけるように力をあわせていくことが大切なのではないだろうか。
そうした1つ1つを繰り返していくうちに、少しずつ特化したりできるのではないだろうか。

私は今よりもっとお客様を喜ばせることができると思う。
今も喜んでもらっているかもしれないけど、もっともっと喜んでもらうことができると思う。
だから、少しでもみんなの知恵や経験を出しあって、お客様に喜んでいただける最短コースの型を作って、喜んでもらえる仕事がしたい。ただ、それだけ。

私は一緒に働くみんなを少しでも幸せにできるように、
15年前に社長に交代した時も今もこれからも誠心誠意努めたいと思い続けている。

私とみんなは立場が違うのでわかりあえないことも当然あるけれど、一期一会で共に働くことを選んだ。
その今を生きるもの同士、いい人生になるように私も努めたいし、みんなも仕事を通じて努めてもらえたら嬉しい。

長くなったが、そんなことを考えた週末だった。